急ブレーキの危険性
第二十四条 車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。
すなわち、衝突など交通事故が発生する危険を防止するため、他に手段が無く、かつやむを得ない場合を除いては、急ブレーキは禁止される。ここで言う急ブレーキは、後述の、タイヤが路面との間で滑走を始める程度に(後述のABSが作動する程度を含む)、急なブレーキ、と解されている。
よって、公道(道路交通法に言う「道路」)上で、故意に(意図的に)急ブレーキの試みをするのは、理由を問わず違法である。
最高速度違反や、故意の(意図的な)蛇行運転をしていたり、その他道路交通法に違反する行為をしていた場合には、上記「やむを得ない場合」には当たらないとされる。すなわち、違反行為が無ければ急ブレーキを掛ける必要が無かったであろう(違反行為と急ブレーキとの間に因果関係が認められる)ような場合には、たとえ危険防止のための急ブレーキであったとしても急ブレーキ禁止違反となる。
また、車間距離保持義務との関係では、後車の車間距離不保持を理由として前車の急ブレーキが正当化されることも、前車の急ブレーキを理由として後車の車間距離不保持が正当化されることも、いずれもない。
すなわち、故意または不必要な急ブレーキを踏んだために後車が追突し、もって後車側の人を死傷させたりすれば、故意の場合は殺人罪、殺人未遂罪や傷害罪などの凶悪犯・粗暴犯、過失の場合(不必要な急ブレーキ)は業務上過失致死傷罪に問われうる。また、前車が急ブレーキその他の理由に急に(後車から見て不意に)減速・徐行・停止したために追突した場合も、後車の責任は免れない。執拗かつ異常に前車に接近して、その結果前車側の人を死傷させた場合、危険運転致死傷罪に問われうる。
よく「犬猫等が飛び出した場合には、急ブレーキを掛けたり急ハンドルをしたりするな」と言われる。これは、法令上は物体として扱われる犬猫等の動物よりも、人命を優先させるためである。法令上も、過失で動物ほか物体を損壊しても、賠償責任はともかく、罪には問われない(ただし器物損壊罪には問われうる)。一方、人間については死傷させれば業務上過失致死傷罪に問われる可能性がある。小動物等をとの衝突を避けるために急ブレーキや急ハンドルをした場合には、前述の「やむを得ない場合」には当たらないとされる可能性がある(ただし、体格の大きい動物に衝突した場合など車両側にも物理的に危険が及ぶような場合はこの限りではない)。
自動車(四輪自動車やオートバイ)は、タイヤで接地して陸上を走る。タイヤと路面との間には、それぞれの材質、温度、乾湿等の条件によって決まる摩擦係数がある。この摩擦係数の範囲内でのみ、自動車は、加速・減速・転回をすることができる。急ブレーキの場合にも、摩擦係数の限界を超えて減速することはできない。
摩擦係数は、大別して「静止摩擦係数(静摩擦係数)」と「動摩擦係数」との2つの概念に分けることができる。「静止摩擦」は、2つの物体が相互に滑っていない状態での摩擦係数であり、「動摩擦係数」は滑っている状態での摩擦係数である。一般に静止摩擦係数は動摩擦係数より大きい。
自動車のタイヤと路面は、通常の滑っていない状態では、静止摩擦の状態である。しかし強くブレーキをかけた結果、タイヤと路面が滑り始めると、動摩擦の状態となる。動摩擦係数は静止摩擦係数より小さいから、この状態では逆にブレーキはききにくくなる。
また、タイヤが回転を止め完全に路面を滑走する状況になると(「タイヤがロックする」という)、ハンドル操作をはじめとした制御は一切きかなくなる。
そのため、急ブレーキの際は、通常の穏やかなブレーキとは異なり、さまざまな注意が必要になる。また、ブレーキは「強くかければかけるほど急激に減速できる」というものではなく、「限界の範囲内では強くかければより急激に減速できるものだが、その限界を超えて強くかけると逆に止まりにくくなり、制御を失う」ことに注意する必要がある。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
急ブレーキと制御不能についても調べてみました。
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